今回の新型コロナウイルス感染の拡大とそれに対する対応は、ゲノム科学、情報科学が、医科学、医療、また疾患予防の様々な局面における科学的理解の基盤として必須であることを教えてくれています。東京大学でも学内13部局2病院で組織する統合ゲノム医科学情報連携研究機構を通じ、また全国の大学・研究機関とも連携して、この未曽有の危機に取り組んでいます。そこで、今年度の本機構シンポジウムでは、疫学、新型コロナウイルスとヒトのゲノム科学や感染拡大数理モデルといった基礎科学から、ワクチン開発、学内での感染予防、行政レベルでの医療対策といった応用科学にいたるまで、それぞれに第一線でご活躍される方々にご講演をお願いしました。本機構における新型コロナウイルス感染に対する学術的観点からの対応について、その議論を深める機会となればと考えています。